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Googleのアルゴリズム「コアウェブバイタル」とは?SEOへの影響・改善策を解説!

Googleのアルゴリズム「コアウェブバイタル」とは?SEOへの影響・改善策を解説!

TANE-beマーケターです。
SEOは、Webサイト運営において重要なポイントです。

検索エンジンの順位を決定するロジックは、さまざまな要素を元に組まれていますが、そのなかで近年追加されたアルゴリズムに「コアウェブバイタル」というものがあります。

この記事では、Googleのアルゴリズムとして追加された「コアウェブバイタル」について解説します。

コアウェブバイタルとは

コアウェブバイタルの3つの指標

コアウェブバイタルとは、Googleの検索エンジンに2020年5月から実装されたアルゴリズムです。検索上位サイトを詳細に順位付けするために導入された評価基準となります。
コアウェブバイタルは、UX(ユーザエクスペリエンス:使い勝手)に着目して順位付けを行っており、次の3つの指標をもとに評価が行われています。

  1. FID(初回入力遅延)
  2. LCP(最大読み込み時間)
  3. CLS(累積レイアウトシフト)

導入の経緯

これまでGoogleでは、ユーザートラッキングを行うことによって、検索エンジンとしてのサービス向上に必要な要素を見出してきました。

数年にわたって調査を行うなかで、検索上位に表示されるサイトのなかでも「読み込みや応答が遅い」「ページレイアウトが崩れる」といったサイトは読みづらく、再アクセス数が低下する傾向にあることが判明しました。

そこで、UX(ユーザーエクスペリエンス:ユーザー体験)の観点を踏まえて、サイトの利用しやすさに対して重要な要素を「コアウェブバイタル」という指標に導入しました。

SEOへ効果はどれくらいあるのか

コアウェブバイタルの評価は、どれくらい検索順位に影響するのでしょうか。
Googleの検索エンジンにおいて検索順位が決まるロジックは、以下の5つです。

  1. 意図(検索意図を把握した内容であるか)
  2. 関連性(検索ワードとの関連性があるか)
  3. コンテンツの質(専門性・信頼性・権威性)
  4. コンテクストの考慮(最も近い国や地域の情報)
  5. UX(ユーザーエクスペリエンス)

上記のなかでも、コアウェブバイタルの評価対象となるのは「5.UX(ユーザーエクスペリエンス)」についてです。コンテンツの質が同じ場合には、UXが優れたサイトのほうがSEO効果が高くなります。

実際に、Googleの検証によると、コアウェブバイタルの3つのスコアが一定以上を満たしていないサイトは「ページ読み込み前に24%のユーザーが離れる可能性がある」という結果が出ています。

公式サイトや競合の多いサイトの運営者であれば、コンテンツの量・質に加えて、UXにも注目してサイトを設計することが重要です。

コアウェブバイタルの3つの指標

コアウェブバイタルには、FID・LCP・CLSという3つの指標があります。
ここでは、それぞれの指標について解説します。

①FID(First Input Delay:初回入力遅延)とは

FID(初回入力遅延)

FIDは、リンクをクリックしたり、ボタンをタップしたりといった「ページ操作」をしてから「サーバーから応答が帰ってくるまで」の時間の早さを示す指標です。
FIDの時間が短いほど、ユーザーにとって「使いやすいサイト」と評価されます。Googleでは、FIDの判定基準を以下の3段階で設定しています。

▼FIDの判定基準
100ミリ秒以下:良好
101〜200ミリ秒:改善が必要
301ミリ秒以上:不良

②LCP(Largest Contentful Paint :最大読み込み時間)とは

LCP(最大読み込み時間)

LCPは、「ページ読み込み時間」を示します。FIDと同様に、時間が短いほど「使いやすいサイト」と評価されます。

読み込みに時間がかかるWebサイトは、内容が良くても再訪される確率が低い可能性があります。コンテンツを1ページ内に詰め込み過ぎると、その分ページの読み込み時間がかかってしまうため、Webサイト制作時には、ある程度コンテンツを小分けにして制作することが重要です。

▼LCPの判定基準
2.5秒未満:良好
2.6秒~4.0秒未満:改善が必要
4.1秒以上:不良

③CLS(Cumulative Layout Shift:累積レイアウトシフト)とは

CLS(累積レイアウトシフト)

CLSは、読み込んだページのうち、ページレイアウト表示のずれがおれくらい起きたかを示します。スコアが低いほど、視覚的に安定しており優良なWebサイトとみなされます。画像や動画、広告が多くなるほど読み込みがうまくいかず、スコアが高くなってしまう場合があります。
CLSの判定基準は、以下の3段階で設定されています。

▼CLSの判定基準
0.1以下:良好
0.11以上0.25未満:改善が必要
0.25以上:不良

(スコアの単位は%÷100が目安)すべての箇所の合計値(累積)で表す

コアウェブバイタルの評価を知るツール6選

引用:Core Web Vitals を測定するためのツール

ここでは、Google Chrome 開発者チームによって紹介されているコアウェブバイタル計測ツールを6つ紹介します。
それぞれの特徴を知ったうえで利用すると、コアウェブバイタルやその他のUX項目を計測しながら使い勝手のよいWebサイトを制作できます。

PageSpeed Insights

PageSpeed Insightsは、ブラウザでの操作のみで利用できるツールです。
調べたいサイトのURLを入力するとパフォーマンスのスコアと改善策が提案されます。
3つの項目の計測結果は以下の4項目で表示されます。

▼計測結果でわかること
①速度スコア(速い・平均・遅いの3段階)
②最適化スコア
(おすすめの最適化方法に準拠しているか否かのスコア)
③ページの統計情報
④最適化についての提案

Chrome UX Report

Googleアカウントにログインして、Chrome UX reportにアクセスすることで利用できます。
調べたいサイトのURLを入力すると、レポート形式で月ごとや端末ごとのコアウェブバイタルのスコアを詳細に確認できます。レポートは毎月火曜日にリリースされます。

Search Console

Google Search Consoleは、スマートフォンのコアウェブバイタルを計測できるツールです。Google検索結果の掲載順位や検索でのクリック数などを測定できます。
「Google Analytics」と連携させると、ページを訪問したユーザーのトラッキング解析が可能となり、より詳細なSEO分析が可能です。

Chrome DevTools


Google dev toolsは、Webサイトの検証や制作に使えるツールで、Chromeを開いて右クリック→検証から開いて利用できます。主にCLSを調整することに向いています。
コアウェブバイタルを確認しながらのWebサイト制作に役立ちます。

Lighthouse


Lighthouseは、Chrome DevToolsと統合しており、「F12」をクリックして、開発者ツールの上部メニューから使用できます。Google Chromeの拡張機能としても配布されており、ダウンロードした後はブラウザの右上にある拡張機能アイコンからも使用できます。Lighthouseでは、コアウェブバイタル以外のUXについても詳細な解析が可能です。

Web Vitals Extension


Web Vitals Extensionは、Google Chromeにインストールして使う拡張機能です。インストール後は、ウィンドウの右上にある拡張機能アイコンから使用できます。
このツールを使用すると、今見ているページのコアウェブバイタルをバッググラウンドで自動測定できます。

コアウェブバイタルの評価が低い主な原因とは

この章では、コアウェブバイタルの評価が低い場合に考えられる原因について解説します。コアウェブバイタルの評価が低い場合には、Webサイトの構成について見直すことをおすすめします。

①FID解析

ページ操作からのサーバー応答時間が長くなる原因として、JavaScriptの実行量が多すぎることが考えられます。
画面遷移をする際に発生するメインスレッドの処理に時間がかかり、次のページを表示する処理までに時間がかかっていると考えられます。

②LCP解析

ページの読み込み時間が長くなる原因には、同時アクセス数の問題でサーバーに負荷がかかっていることや、使用している画像・動画のサイズが大きいことが考えられます。

「Webサイト内に使用されている画像・動画のサイズは適切か」「サーバーへのアクセス人数は想定の範囲内か」「処理に時間がかかり過ぎているプログラムがサイト内にないか」などを確認して、改善を図りましょう。

③CLS解析

ページレイアウト表示のずれが起きている原因として、サイズ指定されていない画像や動画があることが考えられます。
また、JavaScriptの動的コンテンツやWebフォントの設定に原因があることも考えられます。CLSのスコアがよくないときには、一度Webサイトのコードを確認することをおすすめします。

コアウェブバイタルの改善策とは

コアウェブバイタルのスコアがよくない場合、どのように改善をすればよいのでしょうか。ここからは、3つの指標に対する改善策を紹介します。

①FID対策

FID対策には、プログラムで画像や動画の遅延読み込み処理を行うことや、無駄な機能を削ることが挙げられます。
また、ウェブワーカー(JavaScriptを並列処理できるようにする機能)を用いて、JavaScriptをバックグラウンドで実行できるようにすることも有効です。

②LCP対策

LCPを改善するには、1日や1時間など単位ごとの訪問者数を解析して、必要数に応じてサーバーの増強を行う方法があります。また、機能面に問題のないJavaScriptを洗い出して、削除することも重要です。

Web制作をする際は、プログラム上でレンダリングブロック(画面描画に関する処理を重くする)が発生する要素を除外するとよいでしょう。

③CLS対策

CLSの対策には、コンテンツを埋め込む際の画像・動画サイズを指定することが有効です。
また、Webフォントの読み込み方法を調節することで解消されることもあります。具体的な方法として、以下が挙げられます。

Webフォントの読み込み方法を調節する方法

①最新のフォーマットを用いる
古いフォーマットはサイズを最適化していないことがある

②「font-display」プロパティでページ読み込み中の動きを減らす
関数でフォント表示の遅延時間やタイミングを制御する

③早めに読み込まれるようプリロードを利用する
フォントが読み込まれるまで、代替フォント利用設定を行う

④使用するWebフォントのみの登録を行う
Webサイト内で使用する文字や書体のみをフォント利用登録する

⑤サーバーにアップロードして利用する
ライセンスフリーのWebフォントをサーバーにアップロードして用いる

まとめ

コアウェブバイタルは、使い勝手のよいWebサイトを評価するためのGoogleのアルゴリズムで、FID・LCP・CLSの3つの指標があります。
ユーザーにとって使いやすいWebサイトにするために、UXを評価するコアウェブバイタルを測定・分析して改善につなげてはいかがでしょうか。

この記事の執筆者

TANE-be編集部
TANE-be編集部
大阪・京都にあるWebサイト制作の株式会社TANE-beのスタッフが編集。